SYMPOSIUM |
「Constructing Place」
コンストラクティング・プレイス(場所の創造)」というタイトルのもと、アーティストやデザイナー、建築家、都市設計家達が「空間」という概念、さらには新しいテクノロジーが人々と空間の関係性におよぼす影響について考察します。ひとつの場所を構成している様々な要素と、それらの定義の変容について話し合い、私達が自らの位置を認識する際に用いる言語の意味や、テクノロジーがどんな形で私達を「位置付ける」事が出来るのかを共に探ってゆきます。
このシンポジウムでは、ひとつひとつの場所が持つ独自性や、ある場所が政治的、文化的、社会的、歴史的な要素を通じて象られるという事実に重点を置きつつ、私達はどういった形でひとつの場所と遭遇し、それをどう表現出来るのか、そしてニューメディアが表現する側へもたらす新しい可能性に目を向けます。アートと環境の関係性という観点から、自分達の地域に対する創造的な取り組みを模索し、そこへテクノロジーがどのように貢献し得るかについて意見を交わします。さらには、科学技術の発展に伴い変化する空間の姿を見つめ直し、テクノロジーという媒体を通して提示される空間軸が、私達の日常生活と場所の意識に対して果たす役割を具体的に論じていきます。
「位置」の定義が多義性を帯びるようになるにつれ、ある場所を他の場所と隔てているものが曖昧になっていく。そうした現象をこの場において取り上げてゆきます。新しい技術と私達をとりまく環境の構造がどんどんと一体化していく中で、ニューメディアの方法論を介した経験の形や、コミュニケーションの文脈について議論し、この方法論に誘発された新たな見識、あるいは誤った認識や問題点を検証してゆければと思います。