media+forest

 

media+forest はマスメディアから排除された個人・コミュニティの声を取り上げ、市民メディアやメディアリテラシーを促進するために期間限定で集まり、絶えず変化するアジアのアーティスト・クリエイターのグループです。それぞれのメンバーが映像作家、プロデューサー、メディア擁護者として活動しながら、簡単に手に入れるメディアを通して新たな視点に焦点を当て、メディアとの関わりだけではなく、メディアの操作や虚偽に対する人々の意識も高めるため創造的なスキル・技術を共有することを目指しています。

 

 

context

 

日本では電子メディアは日常的にあふれ、当たり前のものと思われています。私たちはいつでも、どこでも大量の情報にアクセスできる状況が当然な疑う地もありません。データ発信の下部のようになっています。その中、情報を受信するだけではなく、自分のコンテンツを発信するためのツールもどんどん増えています。ソーシャルメディアを通して「友達」や「フォロワー」のネットワークが永遠と拡張していき、非常にパーソナルな情報シェアできるようになりました。しかし、彼に出版や放映権を得たら、私たちは昨日の夕飯の写真まで発信したいと思うでしょうか。
 
世界中では様々な地域、アジアの中の地域でもその発信力がまだ足りなく、報道の自由・発言の自由が規制され、情報へのアクセスも大きな問題になっています。しかし、自由が否定された状況下では、何を伝えたいことをより鋭く指摘できるでしょう。
 
このプロジェクトではアジアのアーティストが集まり、2ヶ月東京の郊外でレジデンスを行います。それぞれの創造的な背景、技術、スキル、社会に対する意識を活かし、子どもからお年寄りまで、様々な世代の住民とのコラボレーションにおいて個人・集団の表現・発言のためのビデオの可能性を検証していきます。

 

 

市民参加

郊外に存在するベッドタウンは家族単位で住む人たちの多い町ですが、そのほとんどの方が毎日都心に通勤しているので、地域活動に参加できる時間はとても限られており、町との関係が希薄になっている可能性あります。どうすれば「ここは自分の、自分たちで変えていける、近所の人々と協力し、より良い場所へと発展させることができる」という意識を高めることができるでしょうか?忙しくても地域に貢献することできるでしょうか。本プロジェクトでは、短い時間でも効果的に地域に参加する方法を模索することを目標としています。

 

世代間交流

 

いま多くの地域が、異なる世代の間で引き起こる問題に直面しています。昔は年をとった親が子供や親戚と一緒に住み、数世代に渡りその家族と地域の深い関係が構築され、地域の歴史などが直接に次世代に伝わりました。しかし最近では、生活様式の変化などにより親しみ慣れた地域から離れた施設に住む高齢者の方が多くなり、世代を超えた交流も減ったことから、貴重な経験、歴史的な意識、地域の歴史の共有も少なくなりました。このプロジェクトでは異なる世代の人々をつなぎ、世代間のギャップを埋めることを目指します。昔この地域はどのような様子だったのか、将来的にどのようなになればいいか、どのような物語がこの地域に存在しているか、これからどのような物語を作っていきたいか。地域の様々な面を掘り起こし、町の中で創造的に表現します。

 

パブリックスペース


善福寺は住宅街であるため、「プライベートスペース(私的空間)」に対する意識は高いでしょう。しかし、地域の方が何かを共有するための、市民の交流場所はどこでしょうか。公園・商店街・図書館・スーパー・道路・カフェ・家など、「パブリック(公的)」の領域はどこまでだと考えられるでしょうか。そしてどこまで限られてしまっているのでしょうか。

「公的な空間」は国・市に提供され、管理される場所でしょうか。公的機関から与えられる場所でしょうか。それとも、ただ通り過ぎるだけの場所でしょうか。パブリックスペースでは様々な人が共存し、様々な行為が行われ、多目的に使うことができ、多くの可能性を持つ場所として捉えられますが、その中で個人の力はどこまで発揮できるでしょうか。個人と個人との交流・協力を通して公共空間にどのようなことができるのでしょうか。パブリックスペースは政府などに作られたものではなく、私たちの行為、思い、想像力によって構築されています。


テクノロジー

 

今日、日常生活においてテクノロジーは無くてはならない存在ですが、初めは感謝されていた技術もだんだん当たり前の存在になり、都市空間に浸透し、無意識のうちに受け入れられています。何の疑問も抱かずにテクノロジーをそのまま受け入れてしまうのは、テクノロジーの持つ可能性を軽減させます。テクノロジー自体は創造的な手段で、パブリックスペースのようにただ従順に物事を受け入れるヒエラルキー体系のものではなく、みんなで作りあげることのできるものです。テクノロジーと言っても最新技術のことだけではなく、幅広い定義の中でのテクノロジーを意味するので、分かりやすく簡単なローテック手法を使って、テクノロジーの創造的な可能性を追求することができます。またそれにより、町の中での表現も可能にするでしょう。テクノロジーは距離を超え、離れた場所とつながることを容易にし、また一方で、日常生活を行う親しみ慣れた場所を新しい視点から見る機会、新しい価値観を発見する機会も与えてくれます。

 


国際交流

 

このプロジェクトでは国際交流も重要なキーとなります。小さく穏やかなコミュニティにとって異文化と触れ合うことは刺激になり、他の地域の異なる生活様式、町、コミュニティがあるということを理解することで、自らの地域の新しい可能性が見えてくるでしょう。このプロジェクトでは海外アーティストとの交流だけではなく、そのアーティストのコミュニティである、ラオスとインドの町の人たちと善福寺の市民を結び付け、コミュニティ間の交流を促していきます。