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日本は、ひとつの国際社会です。この国には220万人の日本以外の国籍を持つ人が暮らし、昨年は2000万人の観光客が訪れました。さらに、1万8000人の難民が庇護を求めて日本に逃れ、毎年9万人もの未熟練労働者が「技能実習生」制度を利用し、国内で労働に従事しています。。日本の植民地支配と、それに伴う東アジア・東南アジアの人々の移動の歴史は、国内で生活する第2、第3、第4世代にわたる「在日※」の人々の存在によって可視化されています。植民地支配から続く「在日」の人々に対する差別は、近年ヘイト・スピーチなどの直接的な攻撃として増々暴力化し、、その結果(しかし、依然不十分な)ヘイトスピーチ解消法が制定されるに至っています。実質的に日本社会は多文化・多民族・多国籍社会であるにもかかわらず、これまで積極的な移民住政策は打ち出されていません。社会統合を支援する公的な取り組みはなく、「日本人らしさ」への強制的な適応がまかりとおっているのです。

同時に、私たちはヨーロッパやアメリカにおける難民・移民に対するへのバックラッシュを目撃しています。特定の宗教や国籍に対する排外政策、文化の違いや雇用機会が奪われているという感覚、公的なサービスの負担増大など、日和見主義の政治家が推奨してきた立場である、すでに確立された生活スタイルへの圧力から緊張が生まれているのです。ギリシャ、スウェーデン、ドイツ、そしてイギリスを含めた多くの地域で、難民や移住者に対する恐ろしいヘイトクラムが多発しています。さらに、#Black Lives Matterという人種差別に対する反対運動が注目を集めているように、アメリカ合衆国の法的機関において存在する決定的な人種差別に毎週のように直面しています。

グローバリゼーションの進展に伴う人々の越境的移動とアイデンティティーの多様化が、結局はこのような差別・暴力を生んでしまうのでしょうか。限られた特権階層を除き、移民の受け入れを制限する政府にとって、これは有効な議論かもしれませんが、このような姿勢を便宜的な理由で受け入れることは決して許されません。

「融合」という概念が文化の多様性を最初から否定する方向性を有する一方で、多文化共生を目指す試みは、相互の交流や対話を避け、同じ社会の中で別々に発展してきたことから、失敗してきたとみなされています。

「包括」とは既に古くなった概念ですが、おそらく昨今の日本社会における難民・移民問題を取り巻く議論にとって、「包摂」の新しい解釈が求められているでしょう。
このリサーチグループは難民・移民問題に関心を持つ分野横断的な人々が集まり、組織されます。難民・移民問題から人種差別まで共有するために、社会学や、人類学、や法学に立脚する個人からアートや文学、音楽の担い手まで、多様な人々によって構成されています。そして、リサーチ内容は日本(そしてより広い地域)で生きる様々な個人や共同体に限定されたものにとどまりません。個人が能動的な主体性を積極的に表現できるプラットホームを作ること、つまり上記したような「日本人らしさ」のような何かしらの規範を強要したり、特定のイデオロギーに基づく集団に個人を同化させるのではなく一人ひとりの創造性と自己表象の可能性を促進することによるエンパワーメントを目指します。

具体的な活動内容としては、毎月、このリサーチグループのメンバーとスペシャルゲストによる記事をウェブ上で発表することが、1つ挙げられますします。また、定期的にオンライン上ではなく、対面式のミーティングを開き、経験を共有したり様々なディスカッションを実施します。重要な点は、このグループが単に移民政策を学び、批判するだけではなく、議論や行動を通じて相互に影響を与え合い、そのような「変化」によってなりたつ、豊かな共同体の創造を意識的に目指しているということです。

このプログラムを通じて、私たちは「均一な日本社会」という神話を脱構築し、日常生活に存在する無数の文化的アイデンティティーと経験を浮き彫りにすることを願っています。不可視化された事実を学び、報告するにとどめず、個人が尊厳を持つ存在として尊重され、さらに無数の多様な声と表現が共存する舞台を共に探求し、作り上げていくことを目的とします。

日本が2020年の東京オリンピックに向けて外国からの観光客の積極的な誘致を進める一方で、難民・移民に対しての包括的な支援を怠ってきた点について批判的な目を向けなければなりません。なんの支援も与えず(3年で強制帰国させる)、ご都合主義的に労働力としてかれらを利用し、一人ひとりがこの国のインフラや経済そのものにもたらしている根本的な貢献が目に見えない状態にあるのです。

この「4年ごとの催し」で、グローバル社会の対立や矛盾が顕在化します。それは経済的なレベルでの人々の活発な移動と商業にとって好ましいことでしょう。しかしこの「おもてなし」という歓待は無条件には程遠く、時間制限が付いているのです。私たちは単なる「文化交流」を賞賛するのではなく、むしろ日々積み重ねられている文化的な日常を強調したいと考えます。「よそ者」が既存の社会やコミュニティーの中に入っていくという意味ではなく、外国出身の移住労働者、なんみん、移民、そして旅行者によって生まれるトランスローカルな文化が、私たちの所属や共通点の認識を再構成するにあたりどれほど不可欠であるか、探ることなのです。そうした所属や共通点の認識は、まさに「コモンズ」の形成と実践に貢献するものと言えます。

これは「私たち」と「かれら」のことではありません。

私、あなた、私たち、かれら、皆1>>of<<Uなのです。

※「在日」とは文字通りには日本に住んでいることを意味しますが、もともとは外国にルーツのある人々に対して使われていました。しかし今では朝鮮半島や中国にルーツのある世代(そのほどんどが日本で生まれ育っている)を指すようになりました。

メンバー募集中

このリサーチチームのメンバーとしてリサーチャー、専門家、アーティスト、コメンテーター、NPO、外国のルーツを持つ方などを募集しております。

ご興味がありましたら是非ご連絡ください。  info”at”dis-locate.net

第二回の締め切り: 2016年11月20日