Jie Sheng – How

メディアテクノロジーを媒介すると、身近の環境をどのように理解できるでしょうか。ただの記録の道具としてではなく、メディアを通して拡大鏡のように再発見することが可能になり、環境のもつ、別の側面を考察することができるでしょう。パブリックスペースにおける私たちの経験・行為・活動は、メディアテクノロジーから、どのような影響を受けているでしょうか、そして、それをどう解釈することができるでしょうか。

今回みなさんに参加していただくプロジェクトは、参加者の皆さんが見慣れた、よく知っている場所・空間で立ち止まってもらい、行き交う人々を観察して、彼らの速度や表情を撮影してもらいます。1時間ほど外に出ていただき、10分を超えない程度の映像を撮影していただきます。特に急いでいる人に注目し、360度の視野角で撮影してください。撮影の際は、周りの環境を観察しながら、素材を決めて、出来るだけカメラがブレない様、しっかり撮影をお願いします。また、皆さんに撮影してもらった映像を2時間ほどかけて編集作業を行います。それぞれ撮影してきた映像の中から好きな部分を30秒取り出してもらい、映像と音声の速度を25%まで落とす作業を行います。そうすることで、30秒の映像を2分間に伸ばすことができます。

30秒と言う時間は、一般的なテレビCMの長さで、みなさんにも馴染みのある長さだと思います。しかし、この30秒間に入っている情報を全て読み取れる人はほとんどいないでしょう。膨大な情報が高速で流れている現代社会で時間に追われる私たちは、盲人のように四季を通り過ぎて、目に入る物も見えなくなっています。通常の速度感を撮影技術で落し、映像時間を伸ばして再現させることで、いつもは見えてこない物事がみえてくるのではないでしょうか。